腹部エコー(腹部超音波検査)とは
- おなかに検査用の半透明のゼリーを塗り「プローブ(探触子)」という機械を当てて臓器を見る検査です。
- ゼリーが少しひんやりする程度で、痛みはまったくありません。
- 検査は15分前後です。
- 脂肪肝、肝腫瘍、胆石、腎のう胞、腹水など、様々な病気を発見するのに適した検査です。
腹部エコー(腹部超音波検査)で分かる病気
肝のう胞
- 肝臓にのう胞と呼ばれる袋のようなものができる病気です。
- 多くの場合、無症状また良性の病気のため、問題はありません。
脂肪肝
- 肝臓に脂肪がたまってしまう病気です。
- 症状がほとんどありませんが、肝臓に負担がかかっている証拠です。
- 治療、また生活習慣の改善が必要になります。
- 最近はアルコールを飲まない方の脂肪肝でも肝硬変やがんになる場合が増えていますので、定期的な検査が必要です。
肝硬変
- 肝臓の慢性炎症の結果、肝臓が硬く変化するため「肝硬変」と言います。
- 肝炎ウイルスによるものが多いですが、脂肪肝による肝硬変も増えています。
- それ以外のウイルス性、アルコール性、自己免疫性などが原因の場合もあります。
- 肝臓がんなどの合併症の恐れもあるため、早期発見、早期治療が重要です。
- 胆石・胆泥
- 脂質の消化を助ける胆汁の成分が固まって石ができてしまう病気です。
- コレステロールが固まって胆石となる事があるため、脂肪の多い食品、例えば肉、バター、生クリーム、揚げ物などが好きな方は注意が必要です。
- 石にはなっていなくても泥が溜まることもあります。
- 泥はCTではわかりにくく、エコーのほうが見やすい場合もあります。
胆のう炎
- 胆のう・胆管に炎症が起こる病気です。
- 胆のうや胆管に詰まった石や泥が原因で細菌に感染し、炎症が起きるため、胆石の人がかかりやすいと言われています。
胆のうポリープ
- ほとんどのポリープは良性です。
- 大きくなると悪性の可能性が高くなりますので、ポリープがあると言われた場合は、経過観察が必要です。
膵炎
- 膵臓がうまく機能しなくなり、膵臓が膵臓を消化してしまい、出血、むくみなどの炎症が起こる病気です。
- お酒の飲み過ぎが一番多い原因のため、過度の飲酒は控えましょう。
膵石
- 膵臓の中に石ができてしまう病気です。
- 慢性膵炎と診断された患者さんに多くみられます。
- 飲酒後や食事後にお腹が痛む、背中が痛くなる、という方は要注意です。
膵がん
- 体の深い部分にあるため発見が難しく、進行癌で見つかることが多い癌です。
膵のう胞
- 良性ののう胞と腫瘍性ののう胞があります。
- 良性ののう胞は膵炎の後に出来る物が多いです。
- 腫瘍性のものも出来る場所や大きさによって治療法が違います。
- 腫瘍性が疑われる場合は、専門的医療機関に紹介します。
腎のう胞
- 腎臓に1個から数個ののう胞ができる病気です。
- 通常は無症状で、ほとんどの場合、問題はありません。
多発性のう胞腎
- のう胞がたくさんできて、腎臓の働きが低下していく病気もあります。
- 遺伝性の場合もあります。
検査方法
- ベッド上に寝て頂き、両手を頭の方に上げ、腹部を十分に露出した状態で検査を行います。
- 腹部にゼリーを塗りプローブを腹部に軽く押し当てながら、リアルタイムに臓器の観察を行います。
- 息を吸ったり、吐いたり、止めたりすることで検査が早く、詳しく観察が出来ますので、ご協力をお願いします。
検査の注意点
エコー検査では消化管に空気がたくさんあると、詳細な観察ができませんので、検査当日は絶食で来院ください。