今年も胃腸炎のシーズンです

2025年3月6日

感染性胃腸炎の原因と予防策

感染性胃腸炎は、細菌やウイルスが胃や腸に炎症を引き起こし、下痢や嘔吐といった症状をもたらす感染症です

特に冬季に流行するウイルス感染による胃腸炎は「冬季下痢症」と呼ばれ、主にノロウイルスやロタウイルスが原因です

これらのウイルスは感染力が非常に強く、少量でも感染が成立します

感染は通常、接触後12～48時間ほどで発症し、下痢、嘔吐、嘔気、腹痛、発熱などの症状が見られます

発熱は意外かもしれませんが、胃腸炎では非常に良くあることで、40℃まで上昇する方もいらっしゃいます

多くの場合、1～3日間で自然に回復しますが、高齢者や基礎疾患を持つ人では重症化することがあるため、特に注意が必要です

また、症状が消失した後も一定期間、ウイルスが便中に排泄されるため、生活環境によっては感染予防のために注意が必要です

ウイルスの感染経路

感染経路は主に以下の2つです

  • 食品を介した感染

ノロウイルスは主に、汚染された貝類を生で食べることで感染します

河川や海に流れ込んだ汚染された便が、貝類に付着することで起こります

また、調理の際に使用した道具や手が汚れたまま他の食品に触れることでも感染します

  • 人から人への感染

感染者の糞便や嘔吐物に含まれるウイルスが手や口に付着し、それを通じて感染が広がります

また、乾燥した嘔吐物や糞便が空気中に飛散し、それを吸い込むことで感染が拡大します

感染予防のための対策食品からの感染予防

  • 貝類の加熱: 牡蠣やあさりなどの二枚貝は中心温度が85～90℃以上で90秒以上加熱してから摂取することが推奨されています
    これにより、ノロウイルスを不活化させることができます。
  • 道具や手の消毒: 貝類を調理する際には、別の道具や手を使うか、よく洗って消毒することが重要です

人から人への感染予防

  • 手洗いの徹底: 石けんと流水での手洗いを20秒以上行うことで、ウイルスを除去し感染のリスクを減らします
  • 感染者の隔離: 感染者はできるだけ個室で隔離し、他の人との接触を避けます
    個室隔離が難しい場合は、感染者と非感染者の間に時間や空間を空ける対応を行います

感染予防期間の延長

ノロウイルスは症状が消えた後も体内に残ることがあります。この期間、便と共にウイルスが排出されるため、再感染を防ぐためには以下の対策が必要です

  • 感染予防期間の遵守: 症状が消えても3～7日間は学校や職場に行かないようにし、感染予防策を続ける
  • 手洗いや消毒の徹底: 特にトイレの後や食事の前に石けんと流水で手を洗います
    アルコール消毒は効果がないため、次亜塩素酸ナトリウムなどで消毒します

まとめ

感染性胃腸炎は、細菌やウイルスによる胃腸の炎症で、冬季に流行することが多いです

冬季下痢症の主な原因はノロウイルスやロタウイルスで、食品や水、手指や物品、嘔吐物や便などから感染します

通常は1～3日で回復しますが、高齢者や基礎疾患を持つ人は重症化することもあるため、予防策を徹底することが重要です

特に牡蠣やあさりなどの二枚貝は十分に加熱することが推奨されます

適切な予防策を講じることで、感染のリスクを大幅に減らすことができます

とはいえ、美味しいものには多少のリスクはつきもの、綺麗なバラにはトゲがある

胃腸炎を完全に予防することは困難ですので、胃腸炎かなと思った際には受診をご検討ください

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