内科?外科?どこに行くべき?—専門医に診てもらう重要性

『何科に行けばいいのか分からないので内科に来ました』と話される患者さんが先日いらっしゃいましたので、この点に関して今回は説明していきます

確かに、クリニックの種類も多くて、どこに行けば良いのか分かりませんよね

その際にはまず内科を受診してもらい、どこに行けば良いのかを相談してもらうことも重要かと思います

一方で、『内科以外の診療科でも内科疾患を診てもらえる』という認識が広まっています

例えば、「軽い風邪ならどの科でも診てもらえる」「関節痛があるから整形外科を受診したが、内科疾患だった」といったケースが見受けられます

しかし、このような認識が必ずしも正しいとは限りません

専門外の診療科を受診してしまうと、適切な診断や治療が遅れる可能性があるのです

医療機関によっては、診療の幅を広げるために「風邪も診ます」「生活習慣病も対応します」といった宣伝をしている場合があります

そのため、患者さんの中には「どの科でもある程度の診察は受けられるだろう」と考えてしまいがちです

しかし、内科疾患には専門的な知識が必要なものが多く、適切な検査・診断・治療を行うには、やはり内科専門医の診療を受けることが重要になります

例えば、高血圧や糖尿病といった慢性疾患は、専門的な管理が必要です

内科以外でも一時的な症状の対応はできるかもしれませんが、生活習慣の指導や長期的な治療計画を立てるには、内科専門医の経験が不可欠です

また、「関節が痛いから整形外科へ行ったら、実は膠原病や感染症だった」「頻尿で泌尿器科を受診したが、原因は糖尿病だった」というケースもあります

このような場合、最初に内科を受診していれば、より早く正しい診断を受けられたかもしれません

さらに、診療科選びを間違えると、不必要な検査を受ける可能性もあります

たとえば、「腰痛だから整形外科へ行ったが、実は腎臓疾患だった」という場合、最初に内科で診てもらえば、より適切な検査や治療を受けられるでしょう

わたしたち内科は患者さんの症状を総合的に判断し、必要に応じて専門の診療科へ紹介します

決して内科だけで全ての問題が解決するとは思いませんが、内科はいろいろな疾患の入り口になっていることも多いですので、最初に内科を受診していれば、専門医のネットワークを活用しながら適切な診療を受けることができるのです

このように、内科以外でも科疾患を診ることができるケースもありますが、専門的な診断や治療を受けるためには、まず内科を受診するのが最適です

正しい診療科を選ぶことで、より効果的な治療を受けることができ、健康管理にもつながります

患者さんが適切な診療を受けるためにも、「内科疾患は内科へ」といった正しい情報を広めることが重要なのです

内科と他の診療科の役割

医療にはさまざまな診療科があり、それぞれの専門分野に応じて患者さんの症状を診療しています

しかし、診療科の違いが分かりにくく、「この症状はどこに行けばいいのか?」と迷うこともあるでしょう

特に、内科疾患と他の診療科の領域が一部重なることもあり、間違った診療科を受診してしまうケースがあります

ここでは、内科と泌尿器科、整形外科の役割を整理し、それぞれの専門性を正しく理解することで、患者さんが適切な診療科を選べるようにしたいと思います

内科の役割とは

内科は、主に身体の内部の疾患を診療する科です。呼吸器、消化器、循環器、内分泌・代謝など、幅広い臓器や機能を診る専門科となっています

風邪やインフルエンザ、高血圧、糖尿病などの慢性疾患、消化器の不調、生活習慣病などを総合的に診断し、治療を行います

また、「どこに行けばいいかわからない」症状(例えば原因不明の倦怠感や発熱、全身の調子が悪い場合など)も内科が適切な診療科であることが多いです

内科は、原因を特定するための検査と診断を重視し、薬物療法や生活指導を通じて患者さんの健康管理を行います

特に慢性疾患に関しては、長期的に病状を管理し、適切な治療方針を決めていくことが求められます

このように、内科は患者さんの健康維持や病気の早期発見・予防において重要な役割を果たしています

医療モールとしての役割

当院は医療モールを形成しており、同一の建物内に泌尿器科と整形外科があり、それぞれが専門性をもって診療を行っています

ですので、こちらの医療モールに来て頂ければ、内科だけでなく、泌尿器科と整形外科の専門的な診察も受けることが可能です

  • 泌尿器科: 腎臓、膀胱、尿管、前立腺などの排尿や生殖器系の疾患を診療します。例えば、尿路感染症、前立腺肥大、腎結石、膀胱炎などの治療を専門とします
    また、血尿や頻尿などの症状も泌尿器科の領域ですが、これらの症状が糖尿病などの全身疾患と関連している場合は内科で診るべきことがあります
  • 整形外科: 骨、関節、筋肉などの運動器系の疾患を診る科です
    例えば、骨折、関節炎、椎間板ヘルニア、筋肉の炎症などに対応します
    しかし、「関節が痛い」「筋肉がだるい」といった症状は、時に膠原病や感染症などの内科疾患が原因となっている場合もあり、まずは内科を受診するのが適切なこともあります

なぜ専門医に診てもらうべきなのか

診療科が異なると、それぞれの専門医が持つ知識や治療のアプローチが違います

専門医の診療を受けることで、より適切な検査や治療が選択され、無駄な時間や費用を削減できることも大きなメリットです

内科疾患を適切に診るために

内科疾患を正しく診療するには、専門医の知識と適切な検査が必要です

しかし、適切な診療科を選ばないと、診断の精度が低下し、本来必要な治療を受けるまでに時間がかかってしまう可能性があります

そのため、内科疾患を正しく診てもらうために、まず内科を受診することが重要です

専門医の診断の重要性

内科疾患は、単なる症状だけでなく全身の状態を総合的に考慮する必要があります

例えば、発熱や体のだるさは感染症だけでなく、内分泌疾患や自己免疫疾患の兆候であることがあります

内科医はこれらの疾患を幅広く考慮し、適切な検査を行い、診断を確定します

また、風邪のような症状でも、「単なるウイルス感染」ではなく、糖尿病や高血圧が影響している場合があります

これらの慢性疾患を持つ患者さんには、より慎重な治療や生活習慣の管理が求められますが、内科専門医であればこうした総合的な診療が可能です

適切な検査と診断の違い

診療科によって、どの検査が必要かという判断が異なります

例えば、外科を受診すると、X線やMRI検査が行われることが一般的ですが、もしその痛みの原因がリウマチや膠原病の場合、血液検査や免疫検査が必要になります

こうした症状の背景にある疾患を正しく診断するためには、内科を受診するのが適切なのです

また、頻尿や排尿の違和感で泌尿器科を受診するケースもありますが、糖尿病が原因で頻尿が引き起こされていることもあります

この場合、泌尿器科ではなく内科で血糖値の管理を行うほうが根本的な治療につながります

誤った診療科を受診した場合のリスク

適切な診療科を受診しないと、以下のようなリスクが生じる可能性があります

  • 誤診の可能性:本来の疾患が見逃され、対症療法のみが行われる
  • 不必要な検査:本来必要のない画像検査や治療が行われる可能性がある
  • 治療の遅れ:根本的な原因への治療が遅れ、病気が進行する

特に、慢性疾患の場合は、早期から専門医による適切な診断・管理が重要です

例えば、高血圧や糖尿病の管理は、専門の内科医の治療計画に基づいて行うことで、合併症のリスクを減らし、健康を維持することにつながります

内科を受診するべき症状の例

患者さんが混乱しやすい症状の例として、以下のようなものがあります

  • 発熱・倦怠感内科(感染症・甲状腺疾患・自己免疫疾患などの可能性)
  • 頻尿・排尿異常内科(糖尿病・腎臓疾患の可能性) / 泌尿器科(泌尿器疾患の場合)
  • 関節痛・筋肉痛内科(膠原病・感染症の可能性) / 整形外科(外傷や骨の異常の場合)
  • 動悸・息切れ内科(循環器疾患・貧血の可能性)

このように、症状によっては専門科での診療が必要な場合もありますが、まずは内科で総合的な診察を受けることで、より正確な診断と適切な治療に繋がることが多いのです

まとめ:内科疾患は内科を受診するのが最適

医療機関を受診する際に「どの診療科に行くべきか?」と迷うことはよくあります

内科以外でも内科疾患を診ることがあるため、「どこでも診てもらえる」と考えがちです

しかし、正確な診断と適切な治療を受けるためには、専門の内科医による診察が不可欠です。

内科を受診するべき理由

  • 専門的な診断が可能:内科疾患は全身の状態を考慮する必要があり、症状の背後にある疾患を見極める力が求められます。
  • 適切な検査・治療を受けられる:各診療科には専門の検査や治療があり、内科では血液検査や内分泌・循環器の診断が可能です。
  • 誤診のリスクを減らせる:適切な診療科を選ぶことで、不要な検査や誤った治療を受けるリスクを避けられます。
  • 長期的な健康管理ができる:生活習慣病や慢性疾患の管理には、継続的な診察とアドバイスが必要です。

泌尿器科や整形外科では対応しきれない症状の例

  • 風邪・インフルエンザ・発熱 → 内科の診察が適切
  • 高血圧・糖尿病・生活習慣病 → 内科で長期管理が必要
  • 胃痛・消化不良・腹部の違和感 → 内科で原因の特定が重要
  • 動悸・息切れ・めまい → 循環器系の問題がある場合は内科へ
  • 関節痛・倦怠感 → リウマチや膠原病の可能性があるため内科で総合的に診断

内科疾患は、正しい診療科を選ぶことで、早期発見・適切な治療につながり、健康を守ることができます