大腸カメラ 前処置~結果説明

胃カメラはなんとなくイメージが出来ても、大腸カメラのイメージが沸かない方も多いのではないでしょうか。

理由はカンタン、出口から入るからです。

胃カメラは食べものの流れに沿って入っていくだけですが、大腸カメラのスタートは食べ物の出口である肛門です。

要するに、ゴールがスタートで、スタートがゴールです…ってややこしいですよね。

肛門から大腸の一番奥を目指してカメラを進めていきますが、この道のりが簡単ではなく、わたしも大腸カメラを始めた頃は指導して下さった先生方がどうやってカメラを進めているのか理解出来ませんでした。

ただ、やっていることはとても単純で、大腸のゴールである肛門から大腸のスタートを目指します。

そして、大腸カメラによる大腸がん検診をオススメでも書いたように、大腸カメラをうけたくない理由の中でも多いものは以下の3つです。

・恥ずかしい

・痛そう

・前処置がしんどそう

本日はこれらのポイントを押さえながら大腸カメラの流れを説明していきます。

検査前診察

検査前には検査の流れやリスクに関することについて説明します。

大腸カメラに際しては、ポリープを発見した際にはその場で取れるものは取ってしまうことが多いので、大腸ポリープ切除術の方法とリスクについても説明します。

大腸ポリープ切除術は日帰り手術ですので、合併症のリスクを下げるためには、検査前にみなさんのお話をしっかり確認して、出血しやすいお薬やサプリメントを飲んでないか確認します。

鎮痛剤や鎮静剤の使用についても事前に相談させて頂きます。

大腸カメラの問題点の1つである『痛そう』の解決ポイントの1つが鎮痛剤や鎮静剤の使用です。

胃カメラと違って、大腸カメラでは痛みが問題となることがありますので、当院ではまずは痛み止め(鎮痛剤)を先にオススメしています。

胃カメラでも使用する眠り薬(鎮静剤)と違って、痛みを抑えてくれるお薬です。

これまでの大腸カメラが非常に痛くてつらかった方や大変なお腹の手術歴があって痛みが出やすいことが予想される方は鎮痛剤と鎮静剤の併用も行っています。

大腸カメラを受ける理由となっている症状やこれまでのご病気によっても検査中の痛みがでる可能性が変わりますので、ここはしっかりと相談させて頂きます。

食事

前日の9時までに食事を取って頂きますが、当院では検査食は特におすすめしていません。

前日の夜を検査食をした方が前処置が良くなることは分かっていますが大丈夫です。

多少の前処置不足はわたしが検査中にがんばります!!

ただ、繊維質の多い食品(ひじき、わかめ、こんにゃく、キノコ類など)や種子の多い食品(イチゴ、キウイなど)は控えて頂いた方が助かります。

大腸カメラの検査中に腸の中で出会うこともしばしばありますので。

前処置

大腸カメラは下剤(腸管洗浄液)を飲んでもらって、大腸を空っぽにして頂き、わたしはその空っぽの大腸を観察します。

ここがしんどいし、大変だというお話を聞かれたこともあるかもしれません。

確かに、楽とは言えません。

ただ、下剤の種類が増え、より速く楽にきれいにする飲み方も分かってきました。

最近は下剤だけを飲み続ける前処置方法ではなく、チェイサーを挟むのが流行りです。

お酒を飲むときもチェイサーを挟むと長く美味しく飲めますよね?一緒です。

コップに下剤を入れて1~2杯飲んだら、チェイサーとして普通の水分を1~2杯飲みます。

これを繰り返していきます。

下剤は最初の2~3杯までは大丈夫だけど、そこから気持ち悪くなると言う方も多かったので、チェイサーを挟むことで気分的には楽になるのではないでしょうか。

さらにきれいになりやすさもこちらの方が良いという意見もあります。

便が残った状態の検査では、洗ったり、吸引したりしながらになりますので、余計に時間がかかり、私たちの技術が十分に発揮できなくなることもあります。

前処置をしっかりして頂くことは検査中の痛みの軽減にも繋がります。

また、大腸カメラの前処置は腸内デトックスにもなります。

腸に便が溜まることで腸内細菌が停滞し、発生した毒素が血液に乗って全身を巡り、体全体の調子にも影響を与えます。

腸内デトックスで代謝の良い身体に!腸活ナビ (biofermin.co.jp)

ですので、腸内環境を整えることは全身の体調を整えることにも繋がるかもしれません。

せっかくの検査ですから、腸内デトックスと思ってしっかり下剤を内服してくださいね。

大腸カメラはみなさんと私たちの共同作業です。

検査

そして、いよいよ検査です。

ここで問題になるのが恥ずかしいですよね?

わかります。わたしも同僚や先輩に検査をしてもらってきましたので。

わたしたちが出来ることは出来るだけリラックスしてもらえるような雰囲気作り、そこに尽きます。

じつは、当院のスタッフはこの雰囲気作りがとても上手なようです。

多くの方に記載して頂いていますgoogle クチコミもご参考に頂ければ幸いですが、スタッフの対応を評価頂き、とてもうれしい限りです。

おおつか内科・消化器内科・IBDクリニック のGoogle クチコミ

わたしの評価よりもスタッフの評価のほうが高いような気もしますが、ここはわたしも含めてみんなで努力しているポイントのです。

検査が始まってしまうと恥ずかしいよりも痛みの不安が出てきますよね。

検査中の痛みを和らげるポイントは、

  • 鎮静剤・鎮痛剤
  • 内視鏡機器
  • 内視鏡技術
  • 二酸化炭素

この4本立てです。

鎮静剤・鎮痛剤以外はかなり専門的な要素になりますので、少しだけ説明させて頂きます。

わたしが行っている軸保持短縮法という挿入法は、靴下をグイッと伸ばして履くのではなく、くしゅくしゅっと畳んで、スッと靴下を履くイメージです。

あくまでイメージですが、グイッとしない方が靴下も傷みにくそうですよね?腸も一緒です。

もちろん全ての人が上手くいくわけではないので、そこはオリンパスの内視鏡機器の技術の力を借りたり、ぺたんこの腸の中を観察する際に空気ではなく腸から抜けやすい二酸化炭素を使ってみたり、鎮静剤・鎮痛剤を使って、みなさんに少しでも楽に検査を受けてもらいたいと思っています。

検査結果説明 

検査が終われば説明ですが、鎮静剤の使用さえなければ当日すぐに結果説明をします。

内視鏡治療についてはまた別の機会にお話する予定ですが、大腸ポリープを検査当日に切除する場合があります。

その場合は、切除したポリープを組織検査に提出しますので、2週間後に再度結果説明をさせて頂きます。

以上、大腸カメラの大きな流れを説明しましたが、少しはハードルが下がったでしょうか?

とは言っても不安や心配は多いと思います。

ご来院頂ければ、さらに多くの疑問を解決出来ると思いますので、いつでもお待ちしております。

ぜひ腸活は、おおつか内科・消化器内科・IBDクリニックへ!!